概要

注文住宅の新築には、国の補助金制度を活用できる場合があります。2026年度は、国土交通省・環境省・経済産業省の3省が連携する**「住宅省エネ2026キャンペーン」**として、複数の補助事業がワンストップで申請できる体制が整えられています※1。

補助金は予算に上限があり、申請期限も限られるため、家づくりの早い段階で制度を把握し、スケジュールに組み込むことが重要です。

この記事では、注文住宅の新築で活用できる主な補助金制度を整理します。

注意: 補助金制度は年度ごとに名称・金額・要件が変わります。この記事は2026年3月時点の情報です。最新情報は各事業の公式サイトで確認してください。

住宅省エネ2026キャンペーンの全体像

事業名所管対象注文住宅の新築
みらいエコ住宅2026事業国土交通省・環境省新築・リフォーム対象
給湯省エネ2026事業経済産業省給湯器の導入対象(併用可)
先進的窓リノベ2026事業環境省窓の改修(リフォーム)対象外
賃貸集合給湯省エネ2026事業経済産業省既存賃貸集合住宅対象外

注文住宅の新築で活用できるのは、主にみらいエコ住宅2026事業給湯省エネ2026事業の2つです。

みらいエコ住宅2026事業

2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」と環境省の「戸建住宅ZEH化等支援事業」が統合・再編された事業です※2。

補助額(注文住宅の新築)

住宅タイプ5〜8地域1〜4地域(寒冷地)対象世帯
GX志向型住宅110万円/戸125万円/戸全世帯
長期優良住宅75万円/戸80万円/戸子育て世帯・若者夫婦世帯のみ
ZEH水準住宅35万円/戸40万円/戸子育て世帯・若者夫婦世帯のみ

※ 長期優良住宅・ZEH水準住宅には古家除却加算(+20万円)があります。

2025年度からの変更点

住宅タイプ2025年度2026年度増減
GX志向型住宅160万円110万円−50万円
長期優良住宅80万円75万円−5万円
ZEH水準住宅60万円35万円−25万円

全体的に補助額は減額傾向です。

対象世帯の要件

区分要件
子育て世帯申請時点で18歳未満の子を有する世帯
若者夫婦世帯申請時点で夫婦のいずれかが39歳以下の世帯

GX志向型住宅は全世帯が対象ですが、長期優良住宅ZEH水準住宅は子育て世帯・若者夫婦世帯のみが対象です。

GX志向型住宅の性能要件

GX志向型住宅として補助を受けるには、以下のすべてを満たす必要があります。

  • 断熱等級6以上
  • 一次エネルギー消費量削減率35%以上(再生可能エネルギーを除く)
  • 高度エネルギーマネジメント(HEMS等)の設置

その他の対象要件

  • 床面積: 50㎡以上240㎡以下
  • 着工日: 2025年11月28日以降に基礎工事に着手したもの
  • 住宅の状態: 未完成または完成から1年以内で未居住

申請期限(2026年度)

手続き期限
交付申請予約2026年11月16日まで
交付申請2026年12月31日まで(ZEH水準の注文住宅は2026年9月30日まで)
完了報告(戸建て)2027年7月31日まで

※ 予算上限に達した時点で受付終了となります。

公式サイト

給湯省エネ2026事業

高効率給湯器の導入に対する補助金です※3。みらいエコ住宅2026事業との併用が可能です。

補助額

給湯器の種類基本額性能加算
エコキュート(ヒートポンプ給湯機)7万円/台+3万円/台
ハイブリッド給湯機(電気HP + ガス瞬間式)10万円/台+2万円/台
エネファーム(家庭用燃料電池)17万円/台

※ 戸建住宅は1台または2台まで。

対象要件

  • 性能要件を満たした高効率給湯器の設置が必要
  • エコキュート: インターネット接続機能、天気予報連動の昼間沸き上げ機能等
  • 申請は登録事業者を通じて行う(個人の直接申請は不可)
  • J-クレジット制度への参加意思表明が条件

公式サイト

補助金の併用例

注文住宅の新築では、複数の補助金を組み合わせて利用できます。

例1: GX志向型住宅 + エコキュート(5〜8地域)

補助金金額
みらいエコ住宅2026事業(GX志向型)110万円
給湯省エネ2026事業(エコキュート + 性能加算)10万円
合計120万円

例2: 長期優良住宅 + エネファーム(子育て世帯・5〜8地域)

補助金金額
みらいエコ住宅2026事業(長期優良住宅)75万円
給湯省エネ2026事業(エネファーム)17万円
合計92万円

補助金と住宅ローン控除の関係

補助金を受けた場合、住宅ローン控除の計算上、住宅の取得価額から補助金額を差し引く必要があります。ただし、住宅ローン控除は「年末ローン残高」と「取得価額 − 補助金額」のいずれか低い方に対して0.7%が適用されるため、借入額が取得価額を下回っていれば実質的な影響はありません。

詳しくは住宅ローン控除をご覧ください。

自治体独自の補助金

国の補助金とは別に、都道府県や市区町村が独自の住宅補助金を設けていることがあります。

  • 地域材(県産材)の使用に対する補助
  • 省エネ住宅の建築に対する補助
  • 子育て世帯の住宅取得に対する補助
  • 移住・定住促進のための補助

自治体の補助金は国の補助金と併用できるケースが多いため、建築予定地の自治体ホームページで確認してください。

注意点

申請は建築会社(登録事業者)を通じて行う

補助金の申請は、施主が直接行うのではなく、登録事業者(建築会社)が代行します。そのため、建築会社が事業者登録をしていることが前提となります。建築会社を選ぶ際に、補助金の申請実績があるかを確認しておきましょう。

予算上限に注意

補助金には予算枠があり、申請が予算上限に達した時点で受付が終了します。過去には年度途中で予算が尽きたケースもあるため、利用を予定している場合は早めに建築会社と相談してください。

補助金を前提にした資金計画のリスク

補助金は申請しても必ず交付されるとは限りません。審査落ちや予算枯渇のリスクがあるため、補助金がなくても成り立つ資金計画を立てたうえで、補助金は「もらえたらラッキー」程度に考えておくのが安全です。

制度は毎年変わる

住宅関連の補助金は国の予算措置によるため、年度ごとに名称・金額・要件が変わります。2025年度の「子育てグリーン住宅支援事業」が2026年度に「みらいエコ住宅2026事業」に再編されたように、前年度の情報がそのまま使えないことがあります。

出典

  1. 住宅省エネ2026キャンペーン https://jutaku-shoene2026.mlit.go.jp/
  2. みらいエコ住宅2026事業 https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/
  3. 給湯省エネ2026事業 https://kyutou-shoene2026.meti.go.jp/