概要

注文住宅を建てるには、情報収集から入居まで一般的に1年〜1年半程度かかります※1。土地探しに時間がかかるケースでは2年以上になることも珍しくありません。

この記事では、家づくりの全体の流れを8つのステップに分けて解説します。各ステップで何をするのか、どのくらいの期間がかかるのかを把握しておくことで、見通しを持って家づくりを進められます。

家づくりの全体フロー

注文住宅ができるまでの流れは、大きく以下の8つのステップに分かれます。

ステップ1. 情報収集・条件整理(1〜3ヶ月)

家づくりの第一歩は、自分たちが「どんな家に住みたいか」「いくらくらいかけられるか」を整理するところから始まります。

この段階でやることは主に以下の3つです。

ステップ2. 土地探し(1〜6ヶ月)

建てる場所が決まっていない場合は、土地探しが必要です。建築会社選びと並行して進めるケースが多いです。

土地選びでは、立地や価格だけでなく、用途地域や建ぺい率・容積率といった法的な制限、地盤の状態、ハザードマップの確認など、専門的な知識が求められます。

土地に関する詳しい知識は「土地を探す」フェーズの記事でまとめています。

ステップ3. 建築会社選び(1〜3ヶ月)

注文住宅の依頼先は、大きく分けてハウスメーカー工務店設計事務所の3種類があります。それぞれ特徴が異なり、費用感も大きく変わります。

複数の会社に相談し、プランと見積もりを比較検討するのが一般的です。この段階で間取りの概案や概算見積もりが出てきます。 各業態に関する知識は「依頼先を選ぶ」フェーズの記事でまとめています。

ステップ4. 設計・プランニング(2〜4ヶ月)

依頼先が決まったら、具体的な設計に入ります。間取り、住宅性能(断熱気密耐震など)、設備仕様を一つずつ決めていきます。

この段階が家づくりの中で最も多くの判断を求められるフェーズです。決める項目は数百にのぼることもあります。

設計が固まると、建築会社と工事請負契約を結びます。これは法的拘束力のある契約であり、内容を十分に確認することが重要です。

ステップ5. 建築確認申請(2週間〜1ヶ月)

設計図面が確定したら、建築基準法に基づく建築確認申請を行います。これは建築主(施主)の義務であり、確認済証が交付されなければ着工できません※2。

通常は建築会社が代行してくれるため、施主が直接手続きすることはほとんどありません。

ステップ6. 着工〜上棟(1〜2ヶ月)

建築確認が下りたら、いよいよ工事が始まります。

  • 地鎮祭 — 工事の安全を祈願する儀式。実施するかは任意です。
  • 基礎工事 — コンクリートの基礎を作ります。家の構造を支える最も重要な工程のひとつです。
  • 上棟(建て方) — 柱や梁を組み上げ、建物の骨組みが完成します。木造住宅の場合、1日で骨組みが立ち上がることが多いです。

ステップ7. 内装・外装工事〜完成(2〜4ヶ月)

上棟後は、屋根・外壁・断熱材の施工、電気・配管工事、内装仕上げと進みます。

この期間中に施主が行うこととして、以下があります。

  • 施主検査(内覧会) — 引き渡し前に建物をチェックし、傷や不具合がないか確認します。
  • 登記の準備 — 土地家屋調査士・司法書士への依頼が必要です。
  • 引越しの手配 — 完成時期が見えてきたら早めに動きましょう。

ステップ8. 引き渡し・入居

完成検査を経て、問題がなければ鍵の引き渡しとなります。

引き渡し後にもやるべきことがあります。

  • 各種届出 — 住所変更、転入届など。
  • 確定申告 — 住宅ローン控除の適用を受けるには、入居した年の翌年に確定申告が必要です※3。
  • 保証内容の確認 — 構造躯体の保証期間(法律上の最低保証は10年※4)や、設備の保証範囲を把握しておきましょう。

全体のスケジュール目安

ステップ期間の目安
情報収集・条件整理1〜3ヶ月
土地探し1〜6ヶ月
建築会社選び1〜3ヶ月
設計・プランニング2〜4ヶ月
建築確認申請2週間〜1ヶ月
着工〜上棟1〜2ヶ月
内装・外装工事〜完成2〜4ヶ月
引き渡し・入居
合計約1年〜1年半

上記はあくまで目安です。土地探しが長引いたり、設計の打ち合わせ回数が増えたりすると、全体のスケジュールは伸びます。「いつまでに入居したい」という希望がある場合は、逆算して動き始める時期を決めましょう。

よくある誤解

「土地が決まってから会社を探す」は遠回りになることがある

土地探しと建築会社選びは並行して進めるのが一般的です。建築会社が決まっていると、土地を見たときに「ここにどんな家が建てられるか」のアドバイスがもらえるため、判断がしやすくなります。

「打ち合わせは数回で終わる」わけではない

設計段階の打ち合わせは、規模によって10回以上、多い場合は20回以上になることもあります。間取り・仕様・設備の一つひとつを決める必要があるため、想像以上に時間と労力がかかります。仕事をしながら、子育てをしながら進める場合は、スケジュールに余裕を持つことをおすすめします。

「建築費用=家の値段」ではない

建物本体の工事費以外にも、付帯工事費(地盤改良、外構、解体など)、諸費用(登記、ローン手数料、火災保険など)がかかります。総額は本体工事費の1.2〜1.3倍になるのが一般的です※5。詳しくは家づくりにかかるお金の全体像をご覧ください。

参考書籍

  • 『家づくりのすべてがわかる本』(エクスナレッジ)— 家づくりの流れを網羅的に解説した入門書です。

出典

  1. 住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/2024.html
  2. 建築基準法 第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201
  3. 国税庁「住宅借入金等特別控除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-1.htm
  4. 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第94条(新築住宅の瑕疵担保責任) https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000081
  5. 住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/2024.html